ベニテングタケの間違った使い方

Piper methysticum
"Amanita muscaria"
ベニテングダケ

ベニテングダケは童話の絵本に魔女や小人といっしょに描かれている真っ赤な傘に白い斑点のついたおおきくて怪しい、というか美しいキノコ。秋に白樺の林の生えることが多いが、図鑑などでは毒キノコとして紹介されている。
有効成分はイボテン酸、ムシモール、ムスカリンなどだが、幻覚作用をもたらすと考えられているのはイボテン酸とその分解産物ムシモールなどである。ただし「幻覚」といってもマジックマッシュルームのようにシロシン・シロシビン含有キノコのようなサイケデリックな幻覚世界とは全く別系統。
イボテン酸とムシモールは脳内のGABA（ガンマ・アミノ酪酸）の働きを阻害する。GABAは脳内の神経シナプスの40％にも影響する抑制系の神経伝達物質であるが、それを阻害するということは、抑制作用を抑制する、つまり否定の否定＝肯定ということで、結果的に興奮作用になるものと考えられている。
効きとして心地よい陶酔状態や、多幸感や人生の啓示を得るなんていった肯定的な体験をすることもあれば、またあるときは興奮状態やせん妄状態になるといった否定的な体験もしたりする。イタリアの研究者での調査でもベニテングダケは効果に個人差があるうえ、生育地、さらに同じ場所でも季節により差異が多いという。

ベニテングの食べ方いろいろ
ベニテングダケは毒キノコといっても死んだりするほどの猛毒ではない。図鑑などでは食後15〜30分してから著しい発汗、嘔吐、精神錯乱、師聴覚障害などがあり、4時間以上興奮状態続いたあと深い眠りに落ちるなどと書かれていたりするが、かなりの量を食べてもなんともないケースもよくある。
信州の各地では昔から煮こぼしたり、塩漬けにして食べてきた。事実、とてもおいしいキノコだ。なにしろイボテン酸は「味の素」の旨み成分グルタミン酸ソーダの20倍の味の濃さというのだからすごい。そんなわけで乾燥したベニテングダケはスープや鍋にいれてもいいダシになる。
トリップが目的のときでも、煮るような料理を避ければ、網焼き、テンプラ、味噌汁など、どんな食べ方でもかまわない。ウオッカなど強いアルコールに漬けるという手もある。酒という抑制系のドラッグと組み合わせているわけで、対極の効果を同時に脳に入れてしまうというスピード・ボール的ドリンクだ。もしかして悪酔いみたいに効きすぎてしまうかもしれないので、飲む量に注意したい。乾燥させたベニテングダケを喫煙してもいい。

極秘のベニテングダケの効力増強法（マジ？）

これはシベリアのシャーマン達が実際に行っていた。まず一人がベニテングダケを水やジュースに混ぜて飲む。当然キノコがきいてくるのだけれども、暫くして活性成分はそのまま尿として排出される。そのとき、別の人がその尿を飲む。そうすると尿の中に溶け込んだ活性成分が二番手の人に効きをもたらすのだ。
これはリサイクルというか、とても経済的なうえ、イマジネーションがかなりの非日常的な体験になる。補足すると、この摂取法では、体内でベニテングダケのイボテン酸が脱炭酸反応してより強力な化合物であるムシモールになって尿として出てくるようなのだ。つまり人間の体が効力の増幅器になっている。ベニテングダケを直接、食べたり、お茶にして飲むよりもベニテングを摂取した人の尿を飲んだ方が凄いトリップができるとは！
（コメントｂｙ橋口 ちよみ→M男にはいいかも？）


参考文献　合法ドラッグ体験マニュアル　有栖脱兎（同文書院）

・サイケデリックスBADについて（TOPページにも書きましたがもう一度）

私が間違って食べた時は刻んで中華スープに入れてみました。おいしかったけど、吐きました。（（by 橋口　ちよみ））

保存は冷蔵庫に入れてください。（密閉した容器の中で、湿気と日光を避け、暗い場所で保存してください。

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Administrator  CHIYOMI  HASHIGUCHI

※このHPはサイケデリックハーブ、研究用試薬の摂取を助長する気は全くありません。絶対マネしないでください。